2026年5月4日月曜日

奥様、お手をどうぞ 12

ドニア「ぶっちゃけ本音を言うと… ヴラド、あんたの第一印象は最悪だったよ 高慢ちきでいけ好かない野郎だと思った」
始祖「…皆さん、そうおっしゃいます」
ドニア「でも、このひと月一緒に暮らしてみてわかった」
ドニア「第一印象って全然当てにならないんだってこと」
始祖「……」
ドニア「あたし、マジであんたのこと好きになっちゃったかも🖤」
始祖「…もの好きだな」
ドニア「ヴラド?」
始祖「しゃべり疲れた 少し寝る」
ドニア「あんたが寝つくまで子守歌を歌ってやろうか」
始祖「貴様、俺をいくつだと思って」
始祖「……… 『スカボローフェア』を知ってるか」
ドニア「ん? サイモンとガーファンクルの?」
始祖「メロディが違う(※後述)が、まあいいか」
スカボローフェアに 行ったなら 
パセリ、セージ、ローズマリーに タイム♪
こよなく 愛した あの娘(こ)に 伝えておくれ
…今でも おまえを 愛している、と♪
針も 糸も 使わずに 仕立てておくれ 麻のシャツ
枯れた 井戸で そのシャツを 洗ったら…
始祖「くーっ」
ドニア「おやまあ、本当に寝ちゃった」
始祖「すーっ」
ドニア「お・や・す・み、ヴラド」
海と 陸地の はざまに 
1エーカーの 土地を 見つけてちょうだい
羊の角で 畑を耕し 胡椒の種を 蒔き
皮の鎌で その実を 収穫しておくれ♪
パセリと セージ、ローズマリーに タイム♪
胡椒の実を ヒースの花で 束ねたら
あたしたちは 恋人同士に 戻れるはず♫




※注:「スカボローフェア」には同一歌詞で別バージョンのメロディがある ドニアが歌ったのはこちら 

パスカルが子守歌代わりに歌ったのはこちらである


2025年11月29日土曜日

ヴラディスラウス・ストラウドの退屈












※お詫び:第4話において「テトラドトキシン」と誤記してしまいました 正しくは「テトロドトキシン」、いわゆる「ふぐの毒」のことです


2025年11月28日金曜日

子供の情景 12

お嬢「針も糸も使わずに 仕立てておくれ 麻のシャツ♫」 
お嬢「枯れた井戸で そのシャツを洗ったら
僕らは 恋人同士に戻れるだろう♪」
お嬢「♫」
始祖「その歌、覚えていたのか」
始祖「うちの執事がサラ(=おまえの母親)の枕元で歌っていた子守歌だ」
お嬢「へえ」
始祖「おそらく、サラも幼いおまえの枕元でその歌を歌っていたんだろうな」
お嬢「不思議ね かあさまの顔もよく覚えていないのに」
始祖「今日から高校だろう ずっこけ3兄弟が迎えに来てるぞ、お嬢」
お嬢「行ってきます、おじさま」
始祖「ああ、気をつけてな」
パセリとセージ、ローズマリーにタイム♪
呪文のように 繰り返す
あなたが 受け取った 愛を
今度は あなたが 別の誰かに 注いでいく
そうすれば
愛は 消えてなくなったりはしません
思いは つながってゆくのです
スカボローフェアに 行ったなら
パセリとセージ、ローズマリーに タイム♪
こよなく愛した あいつに 伝えておくれ
…今でも おまえを 愛している、と♬

参照記事:存在の耐えられない重さ「時には昔の話を 1」