2025年9月19日金曜日

子供の情景 1



ストラウド家の者はどうも肉親との縁(えにし)が薄い――これは常づね始祖様が思っていることだ
母親は彼を産んだ直後に亡くなり、15歳の時、不慮の事故で父親を喪った
*「にゃーにゃ♥」
*「♪~」
始祖「名前は?」
*「?」
始祖「自分の名前もわからないのかよ」
*「ぱ~ぱ♪」
始祖「パパって呼ぶな 俺はおまえのパパじゃねえ」
この子の父親(人間だったが)はこの子が産まれる前に亡くなり、母親もつい先日この世を去った 
始祖様にとっては、異母妹(いもうと)・サラが残した忘れ形見というわけだ
*「まんま」
始祖「へえへえ」
始祖(恐るおそる)
始祖「よっしゃあ、今度はバグらねえ※」
※注:前回プレイした時はベビーチェアのバグに悩まされた 始祖様がベビーチェアを使うとなぜかお嬢(ここから先はこの子を「お嬢」と呼ぶ)に食べ物や飲み物を与えることができなかったのだ
お嬢「ぐいうどちーじゅ(訳:グリルドチーズちょうだい)」
始祖「わけあって俺はグリルドチーズ※が大嫌いなんだ」
お嬢「やっ ぐいうどちーじゅ!」
※注:なぜかというと、少年時代、プレイヤーの嫌がらせでグリルドチーズ願望を達成させられたためである 
「枯れた胃腸」の持ち主である始祖様(若)がグリルドチーズをひとくち食べてはトイレへ直行する情景を思い出すたび笑いがこみ上げてくる
お嬢「♪」
始祖「俺様のオルガンは子守歌かよ」
Ziggy「ん~にゃ」
ちなみに、このZiggyは15代目くらいであろう


2025年9月13日土曜日

奥様、お手をどうぞ 12

ドニア「ぶっちゃけ本音を言うと… ヴラド、あんたの第一印象は最悪だったよ 高慢ちきでいけ好かない野郎だと思った」
始祖「…皆さん、そうおっしゃいます」
ドニア「でも、このひと月一緒に暮らしてみてわかった」
ドニア「第一印象って全然当てにならないんだってこと」
始祖「……」
ドニア「あたし、マジであんたのこと好きになっちゃったかも🖤」
始祖「…もの好きだな」
ドニア「ヴラド?」
始祖「しゃべり疲れた 少し寝る」
ドニア「あんたが寝つくまで子守歌を歌ってやろうか」
始祖「貴様、俺をいくつだと思って」
始祖「……… 『スカボローフェア』を知ってるか」
ドニア「ん? サイモンとガーファンクルの?」
始祖「メロディが違う(※後述)が、まあいいか」
スカボローフェアに 行ったなら 
パセリ、セージ、ローズマリーに タイム♪
こよなく 愛した あの娘(こ)に 伝えておくれ
…今でも おまえを 愛している、と♪
針も 糸も 使わずに 仕立てておくれ 麻のシャツ
枯れた 井戸で そのシャツを 洗ったら…
始祖「くーっ」
ドニア「おやまあ、本当に寝ちゃった」
始祖「すーっ」
ドニア「お・や・す・み、ヴラド」
海と 陸地の はざまに 
1エーカーの 土地を 見つけてちょうだい
羊の角で 畑を耕し 胡椒の種を 蒔き
皮の鎌で その実を 収穫しておくれ♪
パセリと セージ、ローズマリーに タイム♪
胡椒の実を ヒースの花で 束ねたら
あたしたちは 恋人同士に 戻れるはず♫




※注:「スカボローフェア」には同一歌詞で別バージョンのメロディがある ドニアが歌ったのはこちら 


パスカルが子守歌代わりに歌ったのはこちらである