2026年5月4日月曜日

奥様、お手をどうぞ 15

バリトン一家に一矢を報いることができたとして、その先のことなど何も考えてもいなかった

ドニア「そうだね あたしのことなんか誰も知らない大都会へでも行って、新しいギャング団を興こすのも悪くないかな」
始祖「…… 無茶をやって死ぬなよ」
ドニア「はい?」
始祖「ひさしぶりに俺様が仲間に加えたんだ あっさり死なれたら拍子抜けする」
ぞんざいな物言いではあるが、彼が心底、あたしの身を気遣ってくれているのが伝わってきた

ドニア「あんたって本当は優しいんだね、ヴラド ますますあんたのことが好きになったよ」
始祖「…もの好きだな」



もの好き?




あれ?


何か 引っかかる言葉だ




Ziggy「ZZZ」



どうせ、俺なんかを 好きになってくれる奴は いないさ
そんなことは ありませんよ
あなたのような しちめんどくさいお方を
心から愛する もの好きが もうひとりくらい
いるんじゃないでしょうか
もの好きって 何だよ、もの好きって(怒)
あいつは 生涯 ただの一度も 直接
俺に I LOVE YOU と言ったことはない
あれは ついうっかり 本音を もらしていたのか

(私の他に あなたを 愛してしまう もの好きが)
(もう ひとりくらい いるんじゃないですか)
…… ふっ、わかりにくいぜ
気づくのに 何十年も かかっちまったじゃないか
おまえは こんな俺を ずっと 愛していてくれた

たとえ、ヴァンパイアになって 俺と 共に
生きていく道を 選ばなかったとしても







ドニア「ヴラド、今まで世話になったね ありがとう」
始祖「落ち着き先が決まったら連絡しろ」
ドニア「ああ」
男前に 描いてくださいよ
安心しろ
美しい者は より美しく
そうでない者は  
そうでない者は?

それなりに、が 俺のポリシーだ
始祖「描き上げたぜ、それなりに」


0 件のコメント:

コメントを投稿