2026年5月4日月曜日

奥様、お手をどうぞ 13

ドニア「ヴラド、この木はなあに?」
始祖「ん? ああ、ブラッドフルーツだ」
始祖「前作『ザ・シムズ3』では『血清フルーツ』なる木の実があったが、おそらくそれと同等品だろう」 ← メタ発言
ドニア「……… 『ザ・シムズ3』って何だよ」
始祖「ベジタリアンなヴァンパイアにとっては最高のおやつだ」
ドニア「ふうん」
ドニア(ちょっとリンゴに似ているかな)
始祖「何だ、これは?」
ドニア「ブラッドフルーツのパイさ リンゴの代わりにブラッドフルーツを使ってみたのさ」
始祖「…おまえ、これが俺の大好物だとなぜ知っている」
ドニア「え? そうなんだ 良かった♪」
始祖(…まずった)
ドニア「味はどう? 気に入ってくれた?」
始祖「まずくはないな また焼いたら食ってやらんこともない(意訳:とってもおいしいね また焼いてくれ)」
ドニア「………」
始祖「ん、急に黙りこくってどうした?」
ドニア「…… ちょっと昔のことを思い出して」
アップルパイはあたしの得意料理だった
いつだったか、ジャッコが急に怒り出した
俺のパイより、あやしのパイのほうがでかい えこひいきだって
あわや大げんかになりそうになった時、コナーが言ったんだ
それなら、ひと切れずつ重さを量ればいいじゃん
パイは5切れともまったく同じ重さだった 
「ジャッコって誰だよ」とも「コナーって誰」とも、
ヴラドはあたしに訊ねはしなかった
彼もまた愛する者を喪う辛さも悲しみも知っているのだ
だから、黙ってあたしのとりとめもない話を聞いてくれた
ただ、あたしの気持ちに寄り添うために…
ドニア「ヴラド あんたって意外と優しいんだね」
始祖「は? 俺が優しいだって? ちゃんちゃらおかしくって、へそで茶を沸かすぜ」
ドニア「……」
そう、こいつは人からほめられるのが不得手のようだ
照れ隠しにぞんざいな物言いをする彼が、ますます好きになっていった



奥様、お手をどうぞ 12

ドニア「ぶっちゃけ本音を言うと… ヴラド、あんたの第一印象は最悪だったよ 高慢ちきでいけ好かない野郎だと思った」
始祖「…皆さん、そうおっしゃいます」
ドニア「でも、このひと月一緒に暮らしてみてわかった」
ドニア「第一印象って全然当てにならないんだってこと」
始祖「……」
ドニア「あたし、マジであんたのこと好きになっちゃったかも🖤」
始祖「…もの好きだな」
ドニア「ヴラド?」
始祖「しゃべり疲れた 少し寝る」
ドニア「あんたが寝つくまで子守歌を歌ってやろうか」
始祖「貴様、俺をいくつだと思って」
始祖「……… 『スカボローフェア』を知ってるか」
ドニア「ん? サイモンとガーファンクルの?」
始祖「メロディが違う(※後述)が、まあいいか」
スカボローフェアに 行ったなら 
パセリ、セージ、ローズマリーに タイム♪
こよなく 愛した あの娘(こ)に 伝えておくれ
…今でも おまえを 愛している、と♪
針も 糸も 使わずに 仕立てておくれ 麻のシャツ
枯れた 井戸で そのシャツを 洗ったら…
始祖「くーっ」
ドニア「おやまあ、本当に寝ちゃった」
始祖「すーっ」
ドニア「お・や・す・み、ヴラド」
海と 陸地の はざまに 
1エーカーの 土地を 見つけてちょうだい
羊の角で 畑を耕し 胡椒の種を 蒔き
皮の鎌で その実を 収穫しておくれ♪
パセリと セージ、ローズマリーに タイム♪
胡椒の実を ヒースの花で 束ねたら
あたしたちは 恋人同士に 戻れるはず♫




※注:「スカボローフェア」には同一歌詞で別バージョンのメロディがある ドニアが歌ったのはこちら 

パスカルが子守歌代わりに歌ったのはこちらである